どくらぼ

言いたいことを言います

ちょっと遅れて振り返り

2015 年 5 月より行っていた WebGL スクールの第二期。

先月 7 月までの足掛け三ヶ月間が無事に終わりまして、少し遅れましたが今更ながら振り返ってみることにしました。

 

まず、第一期は平日の夜、二時間半で毎週行うというスケジュールだったのですが、これを第二期では土曜日で隔週開催する形に変えました。これは結果的には、概ねいい判断だったのではないかなと思っていて、なかには平日のほうが都合がいい受講者の方もいらっしゃったみたいなのですが、全体に週末を利用したスケジュールとすることで、気持ちに余裕を持って参加できた方が多かったのではと思います。

今後スクールを開催する際にも、やはりベースは週末になるのかなという感じがしました。自分の感覚からすると土曜日がいいように思うのですが、日曜日とかのほうがよかったりするのかな?

 

開催日程を隔週にして、土曜日に行うという判断はおおよそ良かったと思うのですが、逆に失敗したかなとちょっと感じているのが、一回あたりの講義の時間です。

今回は一度の講義が 5 時間の長丁場になる形だったのですが、これはちょっと長すぎたかなと、講師として受講者の方々を見ていて感じました。やはり、これだけの長時間を新しい知識の詰め込みに使ってしまうと、休憩があるので実質 4 時間程度ですがちょっと苦しいですね。そのあたり踏まえて考えると、休憩を挟みつつの 3 時間、長くても全体で 4 時間までかなと感じました。あまり休憩時間が長すぎても気持ちが切れてしまいますし、このあたりは調整が難しいですね。

 

あくまでも講師目線で感じたことと言えば、講義の時間以外の部分でどれだけみなさんをサポートできるか、という点がなかなか悩ましかったです。

特に、なにかしらの「意図」を持って受講されている方ほど、スクールの内容が自分の意図した方向性と違っていたりすることがあったような気がしていて、そりゃ完璧に全員が超満足という内容にすることは難しくても、もう少し何かできなかっただろうか、というふうには感じます。

 

たとえば、これは第一期のときにもやりたくてなかなか難しかった部分ではあるのですが、あらかじめ予習することを想定したテキストや宿題の作り方、あるいは復習することに特化した課題の出し方など、これらは今後も研鑽が必要だと感じました。加えて、スクールの最初期の段階で、各個人の最終目標を収集しておくことが、講師としては必要なのかなと今は感じています。そうすることで、個々の目的や目標に合わせたもっと細かなアプローチができるような気がしています。

まあ、一人で運営しててどこまでやるのか、というのは判断が難しいところではあるのですけれども。

 

また、受講料についても今回あらためて考えさせられました。

というのは、受講者の方々の意見や感想を聞かせていただくと、あまりに安すぎてびっくりしたという人と、そこそこのいい金額ですよねという人と、いらっしゃるんですね。これはどんな金額に設定しても大なり小なりそうなのでしょうけれども、難しいですね。

講師側の本音を言えば、とても破格に安い設定だと思っています。正直に言えば、ですけど。

 

ただ、ハッキリと言っておきたいことが二点ほどあって、ひとつはいわゆる一般的なスクールや研修の価格帯に設定すると、若い人たちにとっては参加が難しいものになってしまうのではないか、という危惧です。このスクールの運営を行っている最大の目的は「WebGL をより身近な技術に・より多くの人に使ってもらえるように」というところなので、むしろ若い人たちにどんどん参加してほしい。となると、そんなに無茶な金額設定にはしたくないという心理が働きます。

しかし、言いたいことのもう一点として、極端に格安な受講料をあえて設定しないのは 「3DCG は中途半端な気持ちで始めると逆にアレルギーになってしまう」という感覚を自分が持っているからです。けして安くない受講料を支払うことで、腰を据えるということは人間誰しもあると思います。WebGL は手軽に始めることができるとは言えれっきとした 3DCG の技術を必要としますから、取り組むには覚悟がいります。こればかりは、オブラートに包んでも仕方のないことなので、そこは受講料にも反映させる方針でやっています。

いろいろ言いましたが、これは塩梅が本当に難しい部分ですね。自分の所得に関わってくることですから本音を言えばキリがないのですが、しかし本当に大切にしたいのはまずなにより WebGL をひとりでも多くの人に触ってもらうことです。その気持ちは、今後も失うことなくできる限り続けていきたいなと思っています。

 

それでは少し話題を変えて、今後はどうするつもりなのかについても、少し書いておきたいと思います。

実は今回のスクールは、第二期という形ではありましたが、利用したサンプルやテキストについては第一期とはまるで違います。少し言い方を変えると、自分でも驚きですが「全部新たに書き下ろし」ました。

 

この資料作成に掛かる時間というのは馬鹿にできなくて、隔週開催とは言え、開催前からの準備も入れるとかなりの時間を投資しています。これは、第一期の反省点を踏まえて、より優れた内容に仕上げるための、いわば自分自身に対する自己満足の時間的投資でした。

第一期のときに手を抜いたつもりはありませんでしたが、初めてのことでしたからそれなりに反省点も多かったのは事実です。少しでも、そんな不甲斐ない自分に対する穴埋めをしたい気持ちが、資料の全差し替えという暴挙を決行させました。

今になって考えてみれば、これは結果的には正解だったと思っていて、仮に次期スクールを開催すると考えた時、あくまでもそれが「基礎講座」であるならば、今回の内容をベースにした少々の修正でかなり質の高い講義を行うことができると思っています。

ちょっと考えてしまうのは講義内容が基礎のその先、発展形の内容を中心にしたものになる場合です。これについては、またゼロから構築せざるを得ないと思いますね。とは言え、今回の第二期の内容でも後半はかなりレベルの高いことをやっているので、いずれにしても一度分解して構築し直すような、そういう作業が必要なのかなとは思います。

 

そういったことも踏まえつつ、第三期は、必ず開催したいと考えています。

うまくいけば、年内に第三期をスタートできるかもしれません。

それにできることなら、短期決戦的な内容にはなってしまうと思いますが、関東以外への遠征もやってみたい。いやらしい話、この遠征を考える場合に限っては、時間的にも費用的にも都内で開催する場合と比較して受講者に無理を強いることになってしまいます。それでもやるだけの価値があるのかどうか、見極めなければならないと思っています。このあたりも、悩ましいところです。(私がもうひとりいたらいいのに!!)

 

最後に、第二期の受講者のみなさんに(この記事見てるかわかりませんが)この場を借りてお伝えしたいことがあって、スクールの最後に書いてくださったアンケート、本当にありがたかったです。

励みになるようなメッセージ、隠さず正直に書いてくれた不満点やご意見、どれもが心に響きました。

WebGL スクールは当然のことながら私から第三者へ技術や知識をお伝えする場ですが、同時に私自身もたくさん成長させてもらっています。それに、第一期のときも含めて、私がスクールの運営を通じて得た出会いは、どれも素晴らしいものばかりです。なんだかキナ臭い感じに聞こえると思いますが、これは本当に本当に本当なので、あえてそのまま書いてます。

 

これからも、少しでも多くの人に WebGL の魅力を伝えていきます。そしてその活動のなかで得たたくさんの有意義な出会いを、私は大切にしたいです。

 

スクールを主催して、本当に良かったと思っています。これからも、どこかのだれかのために、そして自分自身のために、WebGL と真摯に向き合いつつがんばって続けていきたいなと思います。