どくらぼ

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最近の話とこれからの話

最近の話

先日、CEDEC に初めて参加してきました。

CEDEC に初めて参加すると同時に、初登壇もさせていただきました。

正直ゲームを中心としたエンターテイメントの技術の最先端が集結する CEDEC というフィールドで、WebGL をメインにした自分の発表に、どれだけの価値があったのか……ちょっと、いやちょっとどころか、かなり不安がありました。

しかし当日は、たくさんの方がセッションに来てくださり、またセッションの後も話しかけてくれたりするなどいろいろあり、やはりセッションに応募してよかったなと感じられる初めての CEDEC となりました。セッションに来てくださったみなさん、声をかけてくれた方々、本当にありがとうございます。

またこれは余談ですが、登壇者だけが参加できる懇親会というものが CEDEC にはありまして、これが非常に素晴らしかったですね。CEDEC に登壇するレベルの、高い次元にいる方たちとあんなふうに交流できるなんて最高の場だと思いますね。WebGL に注目している方も意外といらっしゃって、とても新鮮な、貴重な経験ができました。

これを読んでいる方たちがどんな立場の方なのかはわかりませんが、もしチャンスがあったら CEDEC などのイベントには積極的に参加することをオススメします。特に、登壇者として参加することは非常に大きな経験になります。臆せず動いてみる、これは本当に大事なことですね。

 

さて話は少し変わって、最近引っ越しました。

ずっと茨城に住んでいて、都内に出かけていく感じでどうにかやってきていたのですが、いろいろ不便なことも多く思い切って引っ越しました。日本橋のあたりに引っ越したので、渋谷にも 30 分程度で出ていけます。素晴らしい。

これまでは少々遠方ということもあり、なかなかいろんな方々と交流することが難しいシーンも多かったですが、都内在住のエンジニアのみなさん、ぜひご飯なり飲みなり、ご一緒しましょう。せっかく都内に移り住んだので、もっともっといろんな方と交流したり技術について語り合ったりしていきたいです。ぜひよろしくお願いします。

 

また、引っ越しに伴い、実は仕事に関することも環境が変わりました。

これまでは、開発とはまったく関係の無い業界でずっとガテン系の仕事をして過ごしてきました。これ、本当です。開発のお仕事はあくまでも副業という形で、半分フリーランスみたいな感じでした。

本業はと言えば、時には警備員として、時には物流倉庫でフォークリフトを乗り回して、はたまた時にはパチンコ屋さんのホールでドル箱を下ろしていたりと……

私を知る多くの人にとっては信じがたいかもしれませんが、ずっと趣味だけで続けてきたプログラミング……これがやっと本職になりました。たいへんめでたい。

 

これは完全に個人的なことなんですが、私自身は、自分にエンジニアとしての実務経験が無いということがずっとコンプレックスになっていました。どうしても、自分はしょせんちょっと頑張ってるだけの「素人」であり、本格的な開発の現場では役に立たないみたいな、そういう感覚が本人のなかにはずっとあったんですね。

お会いする方たちはみんな、当然ながらウェブの doxas としての自分を見ていますから、そんなことないですよって言ってくれていたましたが、これでやっと、私自身が私自身に、納得して自分がエンジニアなのであると言い聞かせられるかなと思っています。まあしかし、それも気分の問題ですしかなり先のことになりそうな気もします。

 

WebGL スクールや普及活動

職場環境は変わりましたが、WebGL に関する活動については今後もこれまで同様に続けていけるように、雇用先に無理を言って調整していただきました。これには本当に感謝の気持ちしかありません。関係者の方々には本当によくしていただいて、助かりました。ありがとうございます。

私は一人のエンジニアでありたいという思いと同時に、WebGL をもっと日本に根づかせるための活動をしていきたい、そんなふうに思っています。正直なところ、これはどうしても譲れない部分でした。これはややもすると非常に欲張りなことで、両立するのは正直難しい部分も多いとは思うのですけれど、自分の気持ちと体が続く限りは、地道に活動していきたいなと思っています。

WebGL を少しでも多くの方々に知ってもらいたい、その無限の可能性に賭けてみたい、その思いは今も変わりません。そのために自分ができることは、これからも続けていきたいです。

 

直近では、WebGL スクールのショート版、しかも GLSL のシェーダの記述に特化したものを年内に開催したいと考えています。

これは、第一期、第二期と WebGL の基礎講座という形のスクールを運営してきたなかで、意外と「シェーダに特化した内容」に対する需要が高そうだと感じたからです。

もう少し詳しく言うと、第二期のときに特に顕著でしたが、Unity などのゲーム開発用のツールを使うことが日常的な業務という方々でも、シェーダや基本的な 3D 数学などに特化した内容を深く理解したいと考えている方がいらっしゃるということ。確かに、WebGL ならそういった 3DCG の基本を学ぶのにも、シェーダの記述について学ぶのにも、いずれにも最適な環境だと言えますね。

ツールやライブラリを利用すれば、確かに WebGL を利用する事自体はだいぶ簡単になってきています。しかし、本当に凝ったことや本格的なことをやりたい場合には、絶対に 3D の基本やシェーダの記述についての知識が必要になります。これは恐らく、一般に思われている部分とちょっと乖離があって、3D は基礎がとてもとても大事です。これはシェーダにも、同様に言えることなのかもしれません。

そんなわけで、今回はガッツリと WebGL 全般の基礎を扱う通常のスクールとはちょっと違う形で、短期の GLSL 特化型スクールを開催しようと思い至りました。第一期や第二期に参加された方にとっても有益となるような内容にできたらと思いますが、もちろん、いきなり初めて参加された方にとっても難しくなり過ぎないように、講義の内容はかなり吟味して作っています。

スクールに関してもうひとつ忘れてはならないのは、それが実際に「業務に活かせるもの」であったり「自分のやりたいことの実現に活かせるもの」であることです。

これは半分は受講される方々自身の問題かもしれません。しかし、講師として貴重なお金を払ってもらって提供するものである以上は、実務に、あるいは夢の実現に、直結しないまでも大きく役立つものにしなければならないと私は考えています。

WebGL ならこんなこともできるんだぜ! ということを示すだけなら、それは講師の自己満足でしょう。如何に、それを受講者の方々の「実用的な引き出しのひとつ」にしてもらうことができるか、これこそがとても重要なことなのだと思います。

 

今のところ、10 月の末から 11 月の始めにかけてを開始時期として考えています。

隔週土曜日開催で、年内で全 4 回くらい、12 月の中旬までの期間での開催になるような感じですかね。内容は前述のとおり、シェーダの記述に特化したものにするつもりで、ポストエフェクトの考え方はもとより、GLSL Sandbox や shadertoy で見受けられるシェーダだけで描く二次元の描画、あるいはレイマーチングなどを利用した三次元表現などを扱うつもりです。

レイマーチングの基本は wgld.org でも扱っていますが、どうしても文章だけでは難しい部分もありますね。それに、シェーダしか使っていない……と言われても、そもそもシェーダってなんやねん! というふうに感じている人もいるでしょう。そういったシェーダとはそもそも何者で、利用することで何が嬉しいのか、最終的には自分自身でシェーダを記述できるようになるためにどうしたらいいのかなどの内容を、今回のスクールでじっくり解説できたらと思っています。

 

また、今回の短期スクールは、初めての試みとして「学割」を導入する予定です。

中高生はもちろん、大学生の方なども学割適用で気軽に参加してもらいたい、というのが狙いです。

自分の周囲で WebGL に挑戦しているたくさんの方々のうち、やはり学生さんの吸収力やそこから発想をふくらませる応用力は段違いに優れていると感じます。これはやはり、若さなのでしょうか。彼らの大きな大きな可能性が開花することのきっかけを作ることができたら、これほど嬉しいことはありません。

 

スクールの告知は近日中に行います。

会場の都合などもあり完全先着順になるので、その点はご了承ください。

前回の第二期同様に、たくさんの方々にご参加いただけるように、会場の手配なども含めて、誠意資料やサンプルを作成して準備しています。年内に開催できるスクールはこれで最後になると思うので、気合いを入れて臨みたいと思っています。

 

というわけで、公私共に今後ともがんばります。